「やっかいな食卓」という本を手に取ったパラパラと読んだ印象は、

あ、嫁姑問題を描いてる本か・・ギスギスしてるのかな。
その時は、”癒してくれる本”を欲していたため少し不安になりました。
しかし、読み進めていくと嫁姑問題をテーマにしていますが
その中で綴られるお姑さんの料理シーンが心を癒す魅力を秘めています。

初めての小説『やっかいな食卓』を書いた御木本あかりさん、実はなんと69歳なんだよ!
その作家が書いたからこそ、愛と食への情熱がぎっしり詰まった小説になってるんだね。
嫁姑関係にフォーカスした『やっかいな食卓』が持つ惹きつけるポイントや
読者が期待できる心温まる要素について(ネタバレなし)
料理と人間関係の繊細な絡み合い【やっかいな食卓】の魅力とは?
物語の幕開け|ストーリー紹介から始めましょう
物語は、ユキの夫である健が提案した、姑の凛子との同居計画から始まります。
しかしユキが同居を承諾する代わりに出した条件は、予期せぬものでした――
「食卓は別々」というものです。なぜなら、ユキと凛子は相性が最悪だったからです。

ユキと健の小学生の一人息子の旬は、登校拒否気味です。
ある日学校を早退した旬に対して、凛子が勝手に食事を用意します。
凛子は外交員の妻として世界中を巡った過去があるため、各国の料理を習得している料理上手だったんです。

凛子さんの料理シーンを読んでいるうちに、実際に料理の香りや
美味しそうな光景が目に浮かんで思わずゴクリとしてしまったよ!
ところが、ユキはそれを受け入れずに怒りをあらわにします。
それからも嫁姑間は様々な問題が生じており、お互いの価値観の違いからしばしば対立していました。
- この物語は嫁側と姑側の視点で描かれており、捉え方の違いが巧みに表現されている
- 嫁姑の間に生じる葛藤から始まり、助け合う過程でお互いの見方が変わっていく様子が、
読み手をグッと物語の中へ引き込む力がある
人と人の絆を描いた物語|『食と人間模様』に魅了された私の感想

読書を始めたとき、私はユキがなぜ姑の優しさを受け入れないのか、イライラしてしまいました。
お姑さんが善意で手料理を作っているのだから、もう少し素直になればいいのにと感じたんです。
しかし、ユキには悪いところばかりではないんです。トラブルが起きたときは文句を言いますが、その後きちんと問題を解決しようとする姿勢があります。
ユキと凛子の考え方は家族の食事に対してまったく異なります。
ユキはフードスタイリストという職業で、忙しいスケジュールの中で手を抜いてもいいと思っています。
一方、姑の凛子は、本当に手間暇をかけた料理を作ります。

読了後、私も「顆粒出汁じゃなく、ちゃんと出汁を取ろう!」って気持ちになったくらい。
それで今は、鰹節と昆布で出汁をちゃんととるようにしてるんだ。
それ程、魅力的に料理シーンが描かれていました。

時代や生きてきた背景が異なるため、嫁姑関係ですれ違いが生じます。
次から次へとトラブルが起こりますが特に感情が荒れることはありません。それでも物語は、決して平凡ではなく
躍動感に満ちた展開を見せました。

物語は、最後まで興味を持ち続けながら読み進めることができるよ!
余談ですが・・ストーリーの一端を彩る魅惑の料理【ガスパチョ】とは?

物語中に登場する「ガスパチョ」という料理は、読了後、不思議なほどに食べたくなる一品です。
作者である御木本あかりさんの文章は、驚くほどに料理を生き生きと表現し、その文字だけで食欲をそそられる力があります。
そして特に、御木本さんが描く「ガスパチョ」は惹きつけられます。

ガスパチョはどんな食べ物だと思いますか?
スペイン発祥の冷製スープで、トマトがベース。通常はトマト、パプリカ、玉ねぎ、オリーブオイル、そして酢やパンなどをブレンダーで混ぜ合わせて作らる。野菜たっぷりで爽やかな味わいが特徴で、夏にピッタリの涼やかな料理。


食べてみたい!夏になったら絶対に作る!
まとめ

この小説は、家族の絆や人間関係そして食をテーマにした心温まる物語です。
嫁姑問題を通じて、異なる世代の人々が向き合い、成長する姿が描かれています。
- 家庭や人間関係に興味を持つ方・日常の喜びや悩みを共感できる方
- 登場する料理の描写が魅力的なので、料理や食に興味をお持ちの方も◎

物語は決して平坦ではなく、感情の揺れ動きや人間模様が巧みに描かれていたよ。
最後まで読み進めると、ホッとするような優しい余韻が残るんだ。
是非、この心温まる物語を楽しんでみてね!